家庭料理の現場では、作るメニューの性質によって調味料に求められる役割が異なる。実際の調理現場やSNSコミュニティでの検証データを基に、代表的な韓国料理における最適な代用テクニックを検証した。
【ヤンニョムチキンの場合:ケチャップとの掛け合わせが必須】
ヤンニョムチキンにおいてコチュジャン代用を試みる際、豆板醤と味噌と砂糖だけでは「フルーティーな酸味と赤いツヤ」がわずかに不足する。ここで決定打となるのが「ケチャップ」だ。大手レシピサイトでも絶賛されている裏技として、ケチャップ大さじ2に対し、豆板醤小さじ1/2、蜂蜜(または砂糖)大さじ1、醤油小さじ1をブレンドする手法がある。トマトペースト由来のグルタミン酸と有機酸がチキンの油分を爽やかにまとめ上げ、本場の味を見事に再現できる。
【ビビンバの場合:加熱しないタレ作りの工夫】
「ビビンバを作りたいのにコチュジャンなし、豆板醤しかない」という場面では、生のままタレとしてトッピングすることになる。豆板醤は生食すると角が立ちやすいため、すりおろしニンニク少々とたっぷりの白いりごま、ごま油を前述の「豆板醤1:味噌2:砂糖2」に練り込むのが鉄則だ。ごま油の脂質コーティングにより舌への刺激が穏やかになり、ナムルの繊細な野菜の味を殺さずに引き立ててくれる。
【スンドゥブチゲの場合:スープの中での変換テクニック】
スンドゥブチゲにおける代用は、実は最も成功率が高い。なぜなら、スープ料理では豆板醤特有の唐辛子と塩分がダイレクトに出汁(ダシ)に溶け込むためだ。豆板醤を少量のごま油でアサリや豚肉と一緒に軽く炒めて香りを立たせ、そこに合わせ味噌と砂糖をひとつまみ加える。コチュジャン単体で作るよりもむしろ輪郭のくっきりした、専門店のパンチあるスンドゥブに仕上がると好評を得ている。