赤い公園のリーダーであり、SMAP「Joy!!」等を手掛けた天才作詞・作曲家・津野米咲。彼女が遺した名曲の音楽的特徴と天才的センスの秘密とは何だったのだろうか。その根底にあったのは、複雑怪奇なハーモニーを極上のキャッチーさへと翻訳する圧倒的な「聴感の軽やかさ」だ。
コード進行を分析すると、ジャズやクラシックに由来するテンションコードやテンポチェンジが頻繁に用いられている。しかし、実際に耳に届く楽曲は決して難解さを感じさせない。ドビュッシーやストランヴィンスキーのような近代音楽の複雑性を、日常の何気ないフレーズや口ずさみやすい旋律に落とし込む変換能力。この常人離れしたセンスこそが、音楽専門家から大衆までをも虜にした最大の理由であり、音楽業界に与えた衝撃の真相にほかならない。