戦国甲冑は、頭頂部から爪先まで隙間なく全身を保護する複合ユニット防具です。甲冑構造と部位名称を理解することは、その驚異的な機能美を読み解く第一歩となります。
基本構成は「六具(ろくぐ)」と呼ばれる主要パーツで成り立っています。
- 兜(かぶと)&錣(しころ):頭部を保護する鉢と、首筋を守る垂れ部分。
- 面頬(めんぽう):顔面を保護しつつ、威嚇の表情を模した鉄製の仮面。
- 胴(どう):胸部と腹部を包む主装甲。下部に腰回りを守る「草摺(くさずり)」が垂れる。
- 袖(そで):肩から上腕部を防御する盾の役割を果たすパーツ。
- 籠手(こて):肩から手首、手の甲までを覆う布と鉄板の複合防具。
- 佩楯(はいだて):太ももをエプロン状に覆い、弓や槍の攻撃から大腿動脈を守る板。
- 脛当(すねあて):膝下から足首までをガードする立体的なガードパーツ。
これらを装着する甲冑着付け方法手順は、下半身から上半身へと順序立てて行われます。まず下着となる小袖と褌、足袋を着用した上で、「脛当」→「佩楯」→「胴」→「袖」→「籠手」→「面頬」→「兜」の順番で紐を結び固定していきます。重い装甲を身につけながらも関節の可動域を確保するため、結び目一つひとつに締め付けを逃す熟練の技が要求されました。