「ロコ(ロマンティック・コメディ)の女王」として君臨してきたパク・ミニョンが、本作で選んだのは徹底的なリアリズムだった。
末期がんに侵された闘病生活を演じるため、体重を37キロまで落として撮影に挑んだエピソードはあまりに有名だ。頬がこけ、生気を失った瞳で夫たちの裏切りに直面する冒頭の姿は、観る者に息を呑ませるほどの衝撃を与えた。
だが、タイムスリップ後のジウォンは劇的な変貌を遂げる。過去の自己犠牲と決別し、洗練されたビジュアルと鋭敏な頭脳で立ち向かう姿は、まさに現代のダークヒロイン。パク・ミニョンは繊細なトラウマの揺らぎと、復讐を成し遂げる冷徹な決意を見事に同居させ、演技者としての新たな頂点を切り拓いた。