レモン画翠はなぜ建築の聖地なのか?御茶ノ水本店の魅力と評判を徹底解剖

レモン画翠はなぜ建築の聖地なのか?御茶ノ水本店の魅力と評判を徹底解剖

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レモン画翠の歩みは、日本の近代文化史と分かちがたく結びついています。その創業は大正12年(1923年)にまで遡ります。当初は洋画材料と喫茶店を兼ねたサロン的な空間としてスタートし、大正ロマンの風情漂う駿河台の地で、多くの文学者、画家、文化人たちが集う憩いの場となっていました。店名の「レモン」は、当時のハイカラで清新な時代の息吹を象徴するネーミングでした。

昭和に入り、周辺に大学の建築学科や工学部が集積するにつれて、店舗の役割は次第に建築模型や設計製図の専門分野へとシフトしていきます。その歴史的結実とも言えるのが、毎年開催されている「学生設計優秀作品展」、通称「レモン展」です。

全国の大学から選考された極めてハイレベルな卒業設計や優秀作品が一堂に会するこの展示会は、若手建築家のキャリアのスタート地点として半世紀以上の歴史を積み重ねてきました。審査員には日本を代表する第一線の建築家たちが名を連ね、激しい議論が交わされます。一民間企業がこれほど影響力のある設計展を継続し、日本の建築文化の底上げに寄与してきた例は世界的に見ても極めて稀有です。レモン画翠が「聖地」と呼ばれる背景には、単に商品を売るだけでなく、建築界の次世代を育てるプラットフォームであり続けてきたという誇りがあります。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。