番組のクレジットでは歌唱者が「SUPER P-KIES」と表記されていたため、長年「誰が歌っていたのか」という議論がネット上で交わされてきました。このレッツゴーいいことあるさの歌手の正体について、実質的なメインボーカルを担当していたのは、当時番組で爆発的な人気を誇っていたタレントの鈴木蘭々です。
当時、鈴木蘭々は安室奈美恵とのユニット「シスターラビッツ」を結成し、キレのあるダンスと明るいキャラクターでお茶の間を席巻していました。レコーディング現場の関係者による回想録や音楽ディレクターの証言によれば、彼女の持つ天性の突き抜けるようなハイトーンボイスと、少年のような濁りのないストレートな声質が、楽曲の持つダイナミズムに完璧に合致したとされています。安室奈美恵もコーラスや番組内パフォーマンスに参加していましたが、主旋律を力強く牽引していたのは紛れもなく鈴木蘭々の卓越した歌唱力でした。
さらに見逃せないのが、日本語カバーの訳詞を手掛けたゴダイゴのタケカワユキヒデの手腕です。英語の「Go West」という母音(オ・エ)の響きを、日本語の「いいことあるさ」に見事に転換。サビ頭のメロディに強烈なアクセントを置きながら、子どもでも無理なく発音できる音韻配置を綿密に計算して作詞されています。レッツゴーいいことあるさの歌詞の意味は、挫折や不安を抱える背中を「太陽の昇る方へ走ろう」と無理なく前へ押し出すメッセージで構成されており、直訳を避けつつも原曲が持つ「新しい未来へ進む自由の風」というエッセンスを完璧に抽出した奇跡的な日本語詞です。