全国の自治体でも類を見ない激震をもたらしたのが、北海道と札幌市の二重課税問題です。広域自治体である北海道庁も独自に宿泊税(100円〜500円の階層案)の導入を目指しており、札幌市内に宿泊した場合、道と市の双方が同時に課税権を行使する事態が発生します。1回の宿泊で2枚の納税通知を受け取るような構造に対し、観光客や旅行代理店からは「なぜ同じ道内なのに札幌だけ二重取りされるのか」という猛烈な不満が噴出しました。
提出された札幌市宿泊税条例案の詳細まとめを読み解くと、道と市の間で長期にわたり税率の「按分(あんぶん)」協議が繰り広げられた背景が浮かび上がります。当初、市と道がそれぞれ独自基準で満額徴収すれば、高級ホテルで1泊1,500円を超える高額課税になりかねない危険がありました。これに対し、札幌市議会宿泊税協議の現在では、両者の合計額が過度な負担とならないよう、道税分と市税分を合算して上限をコントロールする調整案が軸となっています。
「宿泊客にとって請求書の内訳が道税と市税に分かれていようと、財布から出ていく総額が増えることに変わりはない」と語るのは、市議会で財政健全化を追及するベテラン議員です。行政側の縦割りによる税収の取り合いが、結果として観光都市・札幌の価格競争力を削ぐ懸念は今なお払拭されていません。