「嘘を嘘と見抜けぬ人には難しい」――かつてそう言い放った実業家の西村博之(ひろゆき)氏は、現在の混乱した情報環境を冷徹な視線で見つめている。同氏によると、既存メディアの衰退と引き換えに台頭したWebメディア業界は、収益性とセンセーショナルな話題性の追求に偏重しすぎているという。多大なコストと時間を要する従来の「調査報道」が成り立たなくなりつつある現状への危惧も根強い。
大手新聞やテレビ局がコンプライアンスや忖度によって踏み込めない領域へ、匿名メディアが無謀とも思える切り込みを見せる。だが、その裏に強固な裏付け取材や自浄作用が存在しない場合、報道としての信頼性は根底から崩れ去る。西村氏の指摘は、過端なアテンション・エコノミーに依存する現代の言論空間が抱える構造的な脆弱性を浮き彫りにしている。