眼部帯状疱疹の闘病記や個人の経過ブログを読むと、皮膚の発疹が綺麗に治った後も続く「耐え難い痛み」に苦しむ声が目立ちます。これが、代表的な後遺症である「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。
ウイルスによって破壊された神経が過敏な状態のまま修復されず、数ヶ月から数年にわたって激しい痛みの信号を脳に送り続けます。「風が顔に当たるだけで電気が走る」「額に針を刺されているようで夜も眠れない」といったアロディニア(通常では痛みを感じない刺激を激痛と感じる現象)に悩まされ、生活の質(QOL)が著しく低下します。特に60歳以上の高齢者や、初期の痛みが激しかった人ほどPHNへ移行しやすいとされています。
帯状疱疹後神経痛の治療法としては、神経障害性疼痛治療薬(プレガバリンやミロガバリン)の内服に加え、痛みの悪循環を遮断するペインクリニックでの神経ブロック注射、抗うつ薬や弱オピオイドの併用など、多角的なアプローチが行われます。一度こじらせると治療に長い年月を要するため、やはり初期の段階でウイルスの暴走を最小限に抑え込むことが最大の予防策となります。