旬の時期に手に入れた素材を最高の状態で味わうには、プロが実践する下処理の技が欠かせない。まずは殻の隙間にナイフを差し込み、上下にある貝柱を手際よく切り離す。殻から身を取り出したら、ヒモやウロ(黒い内臓部分)を丁寧に取り除いていく。内臓の砂を徹底的に洗い流すことが、口当たりの良さを決める最初の一歩だ。
綺麗にしつらえた身は塩水ですばやく洗い、80度ほどの熱湯にほんの数秒だけくぐらせる。この一瞬の湯通しによって、白っぽかった身が鮮やかな朱色へと染まり、食感と甘みが劇的に引き立つ。素早く氷水に落として締めることで、最高の歯ごたえと旨味が完成する。