創作現場の実態を探るため、主要ビジュアルプラットフォームのデータを定点観測すると、興味深い傾向が浮き彫りになります。Pinterest上では「ドレス イラスト 女の子」に関連するアイデアボードを2,320人以上の熱心なクリエイターがフォロー・共有しており、資料収集への熱量は年々加熱しています。また、pixiv公式メディアであるpixivisionでも「エプロンドレス」や「不思議の国のアリス特集」といったクラシックなドレス企画が定期的に組まれ、常に数万規模のブックマークを集める不動のキラーコンテンツとなっています。
しかし、ソーシャルゲームのキャラクターデザインを手がける現役イラストレーターのA氏は、近年の投稿トレンドについて現場目線から次のような課題を指摘します。
「pixiv等で6万件以上の作品群を観察していると、ブラシ素材や3D素体の普及によって、表層的な情報量は劇的に増えました。しかし、商業案件の採用選考で落選するポートフォリオの9割は『布の下にある肉体の骨格が無視されている』か『重力に逆らった不自然なフリルが張り付いている』状態です。どれほど美麗なテクスチャを貼っても、土台となる人体と布の干渉が狂っていれば、見る者に無意識の違和感を与えてしまいます」(ソーシャルゲーム制作会社 アートディレクター談)
SNSや知恵袋等のコミュニティでも、「ドレスを描くと下半身が太く見えてしまう」「スカートの中の脚がどう曲がっているのか分からなくなる」という悲鳴が頻出しています。美麗なドレスイラストの成否は、装飾を描き込む前段階である「素体のパース」と「布が床や足に接地する接地感」のデッサン力に強く依存しているのが現場の冷徹な現実です。