アワビの肝料理で最も重要な工程が下処理です。ここを疎かにすると、口の中に砂が残ったり生臭さが際立ったりしてしまいます。プロの板前が現場で実践しているアワビ肝の下処理方法とアワビ肝の臭み消しの手順を踏めば、雑味のない純粋な旨味だけを抽出できます。
まずは殻から身と肝を外す作業から始めます。アワビの薄い殻の縁(吸殻口がない側)から洋食用のテーブルナイフやヘラを殻の内側に沿わせるように差し込み、貝柱を殻から切り離します。このとき、肝を傷つけないようにゆっくりと手で身を引き剥がすのがコツです。
身から肝を外したら、以下の手順で下処理を進めます。
- 砂袋(先端の渦巻き部分)を切り落とす:肝の先端にある濃い緑色の渦を巻いた袋状の部分には、アワビが食べた海藻や砂が溜まっています。ここを包丁で2〜3mm切り落とすだけで、ジャリッとした不快な食感を100%防げます。
- 塩揉みによるぬめり取り:肝全体に軽く粗塩を振り、指の腹で優しくなでるように揉みます。表面の余分なぬめりと臭み成分が浮き上がってきます。
- 酒洗いと冷水締め:塩を水で素早く洗い流した後、料理酒(または日本酒)に約2〜3分間浸して酒洗いを行います。アルコールが揮発性臭気成分を吸着し、驚くほど澄んだ磯の香りへと変化します。最後にキッチンペーパーで水分を完全に拭き取ります。
こうした鮑の肝料理プロの技を施すことで、加熱調理はもちろん、鮮度の良い生肝の調理においても一流割烹と同等のクオリティに仕上がります。