今回のチャリティーマラソンが歴代と決定的に異なっていたのは、その走行ルートの経緯です。通常は関東近郊の非公開スタート地点から両国国技館を目指して公道を一本道で進みますが、今回はスタート地点として日産スタジアム(横浜市港北区)が選ばれました。
8月31日夜のスタート時、荒天による一般市民やランナーへの危険を回避するため、やす子さんは日産スタジアムの雨に濡れたトラックをひたすら周回する措置が取られました。関係者の証言や当時のトラッキングデータによると、スタジアム敷地内の特設コースを約75周以上、距離にして約30キロ超を夜通し走り続けたとされています。同じ景色が延々と続くトラック周回は、景観が変わる公道走行に比べてメンタルへの負荷が桁違いに大きいとアスリートからも指摘される過酷な環境でした。
明けて9月1日の早朝、台風の勢力が弱まり安全が確認された段階で、隊列は日産スタジアムを後にし、横浜方面から川崎、東京都内へと抜ける公道ルートへと移行。両国国技館までの残る約50キロを走破する形となりました。