街中の店舗が次々と閉まる様子を見て、ネット上では「TSUTAYAは経営破綻寸前なのではないか」「このまま完全に消滅するのか」といった過激な憶測も散見されます。しかし、公表されている事業戦略や取材データを照らし合わせると、実態は「崩壊」ではなく極めて冷徹な事業ポートフォリオの組み換えであることが分かります。
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、早い段階からレンタル事業の延命を諦め、新たな柱への転換を進めてきました。その中核を担っているのが「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」と「大型ライフスタイル提案型書店(蔦屋書店・TSUTAYA BOOKSTORE)」です。
シェアラウンジは、高速Wi-Fi、電源、快適な個席、フリードリンク&フリースナックを備えたコワーキングとカフェの中間的な空間です。リモートワーク需要や資格勉強、商談などを行うビジネスパーソンから絶大な支持を集めており、時間課金制による高収益モデルを確立しています。旧来のレンタル店舗の広大な床面積を活かし、改装によってシェアラウンジへ業態変更するケースが首都圏や政令指定都市を中心に急増しています。
また、ポイント事業における「Tポイント」から「青と黄色のVポイント」への統合も象徴的です。三井住友フィナンシャルグループの強大な金融・決済ネットワークと融合することで、CCC単独では維持が難しくなっていた共通ポイント事業の競争力を再構築しました。つまり、レンタルという祖業の看板を降ろし、不動産活用・空間提供・金融データプラットフォームの複合企業へと姿を変えているのが実情です。