日本での確固たる知名度とレギュラー番組を抱えながら、なぜ二人は海を渡る決断を下したのでしょうか。その起点となったのは、上出遼平のテレビ東京退社でした。
上出氏は、世界各地の危険地帯やスラム街に潜入し、現地の人々の「食事」を通して過酷な現実を描き出した『ハイパーハードボイルドグルメリポート』でギャラクシー賞をはじめ数々の賞を受賞。テレビ業界に旋風を巻き起こしました。しかし、組織に属するディレクターとしての制約や、コンプライアンスが過度に重視される国内テレビの閉塞感に直面し、「より純度の高い表現を追求したい」という強い欲求から2022年6月に同局を退社しました。
その後、上出氏が次なる表現の舞台として選んだのがニューヨークでした。これを受け、大橋未歩も長年親しまれた情報番組『5時に夢中!』(TOKYO MX)やラジオの帯番組などを2023年春に相次いで降板。夫の渡米に付き従うという受動的な態度ではなく、「自分自身のキャリアと人生の後半戦を新天地で模索する」という強い覚悟を持ち、同年に拠点をニューヨークへと移転させました。