起業や組織再編を考える際、現代のビジネスシーンでは合同会社(LLC)も有力な選択肢に入ってきます。3つの会社形態がどのようなポジショニングにあるのか、関係各所の取材と現場動向から分析します。
2006年の法改正と同時に導入された合同会社は、出資者全員が有限責任を負いながらも、利益配分や意思決定を出資比率に関係なく定款で自由に決められる柔軟な組織です。設立費用が安く(登録免許税6万円・公証人の定款認証不要)、決算公告義務や役員任期の制限もないため、実質的に「現代版・有限会社の代替」として急成長を遂げました。AppleやGoogle、Amazonの日本法人が合同会社を選択していることは広く知られています。
しかし、合同会社は比較的新しい形態であるがゆえに、個人事業主の延長と見なされたり、BtoB市場において代表者の肩書が「代表取締役」ではなく「代表社員」となる点に違和感を持たれるケースが依然として残ります。
対して、特例有限会社は「株式会社と同様に代表取締役を名乗れる」「取締役1名から設置可能」「役員任期と決算公告の免除」という、合同会社の身軽さと株式会社のクラシックな信頼感を併せ持ったハイブリッドな存在と言えます。新規に作ることができないからこそ、既に有限会社を保有しているオーナーにとって、その権利を手放すことは希少なカードを自ら捨てるに等しい行為とも捉えられています。