補高便座で後悔する意外な落とし穴とは?3Cmと5Cmの違いと選び方

補高便座で後悔する意外な落とし穴とは?3Cmと5Cmの違いと選び方

補高便座で後悔する意外な落とし穴とは?3Cmと5Cmの違いと選び方の真相について、専門知識を詳しくお届けします。

取材を進めると、良かれと思って導入した補高便座をわずか数週間で取り外してしまう家庭が少なからず存在することが浮き彫りになります。その最大の要因は、補高便座のデメリットとして見落とされがちな「排便姿勢の崩れ」と「足裏の接地不良」です。人間が自然にいきんで排便する際、直腸と肛門が一直線になる「前傾姿勢(ロダン姿勢)」が理想とされています。しかし便座を高くしすぎると、太ももが持ち上がらず腹圧をかけにくくなり、便秘を悪化させる結果を招いてしまいます。

リハビリテーション専門職の手記や臨床報告でも「便座の高さを上げた途端に踵が浮いてしまい、前滑りして便座からずり落ちそうになった」という高齢者の証言が記録されています。足裏がしっかりと床についていない状態では、下肢で踏ん張りが効かず、座位バランスが極端に不安定化します。立ち上がり動作の負担軽減ばかりに目を奪われ、肝心の「排泄行為そのものの快適性」を犠牲にしてしまう点が、導入後に後悔を抱く典型的なメカニズムです。

さらに見過ごせないのが「同居家族との共用問題」です。介護を受ける本人に合わせて5cmや10cmの補高便座を固定してしまうと、他の家族にとっては座面が高すぎて小用時の尿はねや姿勢の違和感が生じます。特に背の低い子どもや小柄なパートナーがいる家庭では、トイレのたびに脱着が必要なタイプを選ばなかったことで、家族間のストレスや介助疲れを増幅させる火種になっています。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。