物語の背景にあるネアポリス王国は、絶対的な階級社会だ。貴族の横暴は黙認され、平民や立場の弱い者が犠牲となる構造が日常化していた。ウェカピポの妹が被った惨劇も、貴族階級の特権意識が生み出した暴力の一端である。
法治国家を謳いながらも、実質的には権力者の都合で法が歪められる環境。ウェカピポは決闘に勝利しながらも「貴族に危害を加えた」として死刑宣告を受ける。免罪の条件として提示されたのが、国からの国外追放と、二度と妹に会わないという過酷な契約だった。この不条理こそが、彼の人生を決定的に狂わせたのだった。