神戸新聞社に届いた挑戦状の末尾や声明文には、文字だけでなく不可解なシンボルマーク(記号)が描き添えられていました。円の中に線や図形を組み合わせたようなそのマークは、捜査本部やメディアを大いに困惑させました。
この記号の意味について、捜査関係者の調査や当時のニュース報道では、オカルト儀式や宗教的シンボルとの関連性が疑われました。しかし逮捕後の供述や精神鑑定により、少年Aが愛読していたホラー小説、漫画、世紀末思想を扱ったサブカルチャーの断片をツギハギして生み出した「オリジナルの紋章」であったことが明らかになります。
少年Aにとって、文字や記号を書く行為そのものが現実世界に対する「呪術的な攻撃」であり、自らを特別な存在へと昇華させるための儀式だったのです。