「販売終了」と宣告されたお菓子が、実は完全に地上から消え去ったわけではないという事実は、あまり広く知られていません。メーカーはファンの郷愁とブランド資産を巧みに活用し、新たなビジネスモデルを構築しています。
からくり1:ご当地プレミアム土産への転生スキーム
全国のスーパーで薄利多売を続けることが難しくなった名作菓子は、観光地の「ご当地土産」としてリニューアルされるケースが定着しています。明治の「サイコロキャラメル」は、全国販売終了後にグループ会社の道南食品へ移管され、「北海道サイコロキャラメル」として北海道内の空港や土産物店、物産展で手堅い収益を上げています。チェルシーの生食感バージョンも同様の座組です。価格帯を300円〜800円前後のプレミアム帯へ引き上げ、パッケージを高級化することで、日常消費から「旅の思い出・ギフト」へと用途を拡張させています。
からくり2:コンビニPBによる「ジェネリック復刻」
メーカー公式の復刻ではなくとも、消費者の懐古ニーズを敏感に察知した大手流通(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン等)が、自社のプライベートブランド(PB)として実質的な後継商品を企画・投入する事例が相次いでいます。例えば、カールが消えた東日本では、コンビニ各社が独自のコーンスナック(チーズ味、カレー味等)を展開しており、製造元を確認すると大手スナックメーカーがOEM供給している実態があります。形状やネーミングこそ異なりますが、原料配合や製法を研究し尽くした「ジェネリック菓子」として、かつてのファンの渇きを十分に癒やしています。