民放キー局のなかでも、長年テレビドラマの歴史を牽引してきたフジテレビジョンとTBSテレビの攻防は、いまやピークを迎えている。かつて『イチケイのカラス』が見せたような軽妙さと法的リアリティを両立させたヒットの方程式や、『アンナチュラル』が打ち立てた法医学サスペンスの金字塔など、両局は常に日本のテレビドラマの質的転換をリードしてきた。
金曜9時という時間帯において、フジテレビジョンが提示するスタイリッシュでテンポの良い演出と、TBSテレビが得意とする重厚で社会派のメッセージ性は、まさに好対照をなす。近年はこの2大局の競合が切磋琢磨を生み出し、海外の配信プラットフォーム作品にも引けを取らないハイレベルな制作環境を構築する原動力となっている。