一方で、スマートフォン一つで手軽に双方向のやり取りができるライブ配信プラットフォームにおいて、配信者自身が予期せぬトラブルに巻き込まれるケースも深刻化しています。特に警戒すべきは、映像の片隅に映り込んだ情報から生活圏が暴かれる個人情報特定被害です。
部屋の窓から見える建物の配置、電車の走行音、制服のデザイン、さらには瞳に反射した室内の光景などから、熱狂的な視聴者や悪意あるネットユーザーが自宅や通学先を割り出す事案が後を絶ちません。配信者が意図せず漏らした些細な雑談内容をパズルのように組み合わせる「特定班」と呼ばれる存在により、プライバシーが丸裸にされるリスクが存在します。
一度特定されてしまうと、ストーカー被害や自宅周辺への嫌がらせ、ネット上への実名・住所の晒し行為へと発展します。デジタル空間に一度刻まれたデータは完全に消し去ることが難しく、いわゆる「デジタルタトゥー」として将来にわたって当事者を苦しめ続けることになります。