SNSや園芸コミュニティ、Q&Aサイトを検証すると、「ゴールデンウィークに肥料をたっぷり撒いたら1週間で茶色く枯れた」「夏場に葉色が薄くなったので化成肥料を追加したら、全体がドロドロに溶けるように枯死した」という悲痛な報告が毎年数多く寄せられています。
これらの失敗の9割以上は「肥料焼け(濃度障害)」と呼ばれる生理障害が引き起こしています。植物の根は、細胞内の浸透圧が周囲の土壌水分より高いことによって水分を吸収しています。しかし、土壌中に過剰な肥料成分(塩類)が存在すると土壌水の浸透圧が急激に跳ね上がり、逆に根の細胞内から水分が奪われて脱水症状に陥るのです。これが、肥料を撒いたのに水不足と同じ症状を示して枯れてしまう根本的な理由です。
造園管理の現場調査によると、特に被害を拡大させる典型例は以下の3パターンに集約されます。
- 芝生 芽吹きのフライング施肥:まだ地温が低く根が休眠している3月に大量の固形肥料を散布し、新芽が出る前に根を壊死させる。
- 真夏の炎天下での散布と水やり不足:気温30℃を超える炎天下で散布し、散水量が不十分だったために肥料粒の周囲が高濃度溶液となって葉と茎を焼く。
- ムラ撒きによる局所的過多:手で適当にばら撒いた結果、肥料が固まって落ちた箇所だけが円形に枯れ込む「斑点枯れ」。