東京から南へ約1,000km、有人島である父島からも約130km離れた絶海の無人島に、飛翔能力が限定的なワモンゴキブリが自力で辿り着くことは物理的に不可能です。生物侵入経路の調査において、主に以下の3つのルートが指摘されています。
最も有力視されているのが、過去に島へ接近・一時上陸した漁船や作業船、密漁船などからの持ち込みです。西之島は1973〜1974年にも噴火を起こして新たな陸地を形成しましたが、当時は現在のような厳格な環境管理規定が徹底されておらず、船積みの荷物や食料、資材に付着した卵や成虫が島内に持ち込まれた可能性が高いと見られています。
また、黒潮や季節風に乗って流れ着いた海洋漂着ゴミ(プラスチック容器や流木)に卵鞘が付着していたケースや、島を行き来する大型海鳥の体に偶発的に付着して運ばれた可能性も議論されました。しかし、海水の塩分や長期の漂流に耐えられる確率を考慮すると、人間活動に伴う人為的侵入が最大の要因であったことは間違いありません。