市販のブリーチ剤やヘアカラー剤を手に取る際、まず知っておくべきは日本の医薬品医療機器等法(薬機法)における厳格な規制です。現在、日本国内のドラッグストアや薬局で一般流通しているカラー剤や脱色剤のパッケージには、必ず「眉毛・まつ毛には使用しないでください」という警告文が明記されています。
これは、目の周囲の皮膚が顔の他の部位に比べて約3分の1(わずか0.02ミリ程度)の薄さしかなく、外部刺激に対して極めて脆弱であるためです。さらに、アルカリ剤や過酸化水素水を主成分とする脱色剤が誤って眼球に入った場合、角膜潰瘍や最悪の場合は失明に至る化学熱傷を引き起こす恐れがあります。
取材に応じた皮膚科専門医は次のように指摘します。「SNSで簡単そうに見えるセルフ脱色ですが、眉周りの接触皮膚炎(かぶれ)や、薬剤が揮発して目にしみる刺激症状を訴えて来院する患者は毎月絶えません。特に市販の髪用ヘアカラー剤は毛髪の太いキューティクルを開くためにアルカリ度が高く設計されているため、眉への転用は絶対に避けるべきです」。
一方で、むだ毛用の脱色クリームを眉毛に応用する手法が美容界隈の「公然の秘密」として広まっているのも事実です。行う場合は法的にも医学的にも完全な「自己責任」の領域であることを認識し、安全マージンを極限まで高めた慎重な処置が求められます。