同じ最高位に君臨する横綱であっても、受け取る年料や手当の額には大きな開きが生じる。その根源にあるのが、まさに過去に積み上げた持ち給金の差だ。
横綱昇進時には一律で300点の最低保障ラインが設定されるが、大記録を打ち立てた大横綱の累積点は桁外れな数値に達する。史上最多45回の幕内優勝を誇る第69代横綱・白鵬翔の持ち給金は1,000点を遥かに超えていたとされる。これは1場所あたり数百万円、年間で数千万円単位の力士報奨金が月給とは別に支給されていたことを意味する。
一方で、怪我による地獄の陥落から復活を果たし横綱へと登り詰めた第73代横綱・照ノ富士春雄のような偉大な足跡も、優勝や勝ち越しの重ね合わせによって圧倒的なインセンティブへと還元されていった。土俵での圧倒的な強さと継続性が、ダイレクトに生涯年収の格差となって現れるのが、この制度の醍醐味であり厳しさでもある。