オフグリッドな山生活と聞いて、多くの都市生活者はロマンチックな田園風景を思い浮かべるかもしれない。だが、現実ははるかに泥臭く、厳しい。冬の凍てつく寒さ、害虫や野生動物との攻防、急な天候変化への対処など、生きることのすべてがダイレクトに降りかかってくる。
水は山から引き、薪を割り、土を育てる。便利さと引き換えに現代人が捨て去った「生の手応え」がそこにはある。朝、澄んだ空気の中で土をいじり、自ら育てた野菜を口にする。日常のあらゆる工程に時間と労力を注ぎ込むプロセスこそが、彼にとっての至高の贅沢なのだ。