声が出ないとき、多くの人が良かれと思って行っている行動の中に、実は声帯に致命的なダメージを与えるトラップが潜んでいます。早期回復を目指すなら、以下の5大NG行動を直ちに中止してください。
1. 声が出ない時のNG行動の最たる例「ささやき声(内緒話声)」での発声
「声が出ないから、ひそひそ声で話そう」とするのは最大の過ちです。内緒話をする際、喉頭の披裂軟骨は不完全な閉鎖状態となり、声帯の後部に狭い隙間を作って強い呼気を噴出させます。このとき声帯にかかる摩擦ストレスは、通常発声時の約3倍に達します。声を出す必要がある場合は、ささやくのではなく、小さくても芯のある自然な裏声気味のトーンで短く話すか、徹底して文字起こしツールや筆談を用いてください。
2. 咳払い(えへん虫)の連発
喉に痰や違和感がある際、頻繁に「コホン」と咳払いをする人がいます。咳払いは、左右の声帯を全力で激突させて異物を吹き飛ばす動作であり、炎症を起こして腫れ上がった組織をハンマーで叩くような自傷行為です。痰を切りたいときは、軽く息を吐きながら小さく息を呑み込むか、温かい水分を一口飲んで流し込みましょう。
3. メントール・ハッカ成分の強力なのど飴の多用
メントールによる爽快感は「喉が通った」ような錯覚をもたらしますが、揮発成分が蒸発する際に声帯表面の水分と油分を一緒に奪い去り、乾燥を激化させます。飴を使用する場合は、メントール無配合の蜂蜜系飴や医薬品指定のトローチを選び、口の中でゆっくり溶かしてください。
4. 冷たい水・カフェイン・アルコールの摂取
氷の入った冷水は喉の血管を収縮させて血流を滞らせ、浮腫の吸収を妨げます。また、アルコールは利尿作用によって脱水を招くだけでなく、血管を拡張させて声帯の浮腫を一層悪化させます。
5. 声の調子を確かめる「発声確認テスト」
30分おきに「あー、まだ出ないな」「えー、少し出たかな」と声を出す行為は、せっかく鎮静化に向かっている粘膜組織を自ら刺激し、治癒プロセスをリセットする行為です。声の確認は半日以上完全に沈黙を守った後に1回だけ行うのが鉄則です。