インターネット上で定期的に話題となる「東海堂銀座ビル解体決定」や「超高層化への建て替え計画」といった言説について、現時点で確認できる公的資料や都市計画決定を精査したところ、現段階で解体届の提出や建築基準法に基づく具体的な新築着工が公告されている事実はありません。
では、なぜ解体や建て替えの噂が確定事項のように語られてしまうのでしょうか。そこには以下の3つの誤解が存在します。
第一の誤解は、近隣で進む「銀座並木通り」や「マロニエ通り」周辺の既存ビル建て替え工事との混同です。銀座2丁目周辺では老朽ビルの解体と新築が相次いでおり、隣接地で工事用仮囲いが設置されるたびに「東海堂銀座ビルもいよいよ解体か」と早合点された経緯があります。
第二の誤解は、テナント募集の停止=即解体という短絡的な結びつけです。商業用不動産では、将来の事業承継や再開発計画に備えて、既存テナントの退去後にあえて新規の長期賃貸契約を結ばず、空室のままキープする「権利関係のクリアランス期間」が数年単位で設けられるのが一般的です。
第三の誤解は、地上げによる強引な立ち退き説です。SNS上では劇的な立ち退き劇が想像されがちですが、実際には契約期間満了に伴う合意終了や、移転補償金を含む円満な合意退去が淡々と進められているのが実態です。
今後の現実的なシナリオとしては、単独での解体建て替えではなく、隣接する地権者との合意形成を図りながら敷地を統合し、容積率を最大限に活用した商業複合ビルへの再生が最も有力視されています。