両目が勝手に片側に寄る「共同偏視」とは?脳梗塞・てんかんの鑑別法

両目が勝手に片側に寄る「共同偏視」とは?脳梗塞・てんかんの鑑別法

両目が勝手に片側に寄る「共同偏視」とは?脳梗塞・てんかんの鑑別法の真相について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

神経所見の鑑別診断において、最も基本的かつ臨床で重視されるのが「視線が病巣(病気のある側)を向いているか、麻痺側を向いているか」という判別です。障害部位によって視線の向く方向が正反対になります。

① 大脳半球の障害(広範な脳梗塞・被殻出血など)
大脳皮質(前頭眼野)の破壊性病変では、障害された側を睨む形になります。脳の運動神経線維(錐体路)は延髄で左右交差するため、麻痺は病巣と反対側の手足に出現します。つまり、「病巣側を向き、手足の麻痺側とは反対側を睨む」状態となります(例:右脳梗塞なら、視線は右を向き、手足は左麻痺)。

② 脳幹(橋)の障害(橋出血・橋梗塞)
大脳からの眼球運動指令は、脳幹にある「橋(きょう)の側方凝視中枢(PPRF)」で一度中継されます。この橋のPPRFは交差後の経路にあたるため、橋が障害されると「病巣側を見ること」ができなくなります。その結果、反対側を向くことになり、「病巣の反対側を向き、麻痺側を睨む」という逆の現象が発生します。

救急の現場では、「視線の先」と「動かない手足」の位置関係を観察するだけで、病変が大脳にあるのか脳幹にあるのかを初期段階で推測することができます。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。