今野浩喜の俳優としての成功を語る上で避けて通れないのが、2015年12月26日に発生した相方の不祥事です。当時、コンビは『キングオブコント2010』で圧倒的な得点差をつけて第3代王者に君臨し、独創的な世界観を持つコント職人として確固たる評価を得ていました。しかし、年末の特番収録を控えたその日、元相方の高橋健一が都内の高校に侵入し、女子生徒の制服等を盗んだ建造物侵入・窃盗の疑いで警視庁に逮捕されるという前代未聞の事件が発生しました。
報道各社が緊急速報を打電し、世間が騒然とする中、所属事務所は事態の重大性を重く受け止め、わずか3日後の2015年12月29日、高橋との専属契約を即日解除するとともに、キングオブコメディの解散を正式発表しました。今野自身には何一つ非がないにもかかわらず、出演予定だった年末年始の特別番組はすべて差し替えとなり、コンビとして積み上げてきたネタや冠番組のすべてが灰燼に帰しました。
事件直後、今野は公式コメントにおいて「関係者の皆様、応援してくださっていたファンの皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。相方の愚行によって梯子を外された極限状態にあっても、取り乱すことなく誠実に頭を下げた姿は、当時の関係者やメディア関係者の胸を打ちました。しかし、15年以上にわたり人生を共にした相方に裏切られた精神的打撃は計り知れず、当時の特番インタビューや手記では「明日からどうやって生きていけばいいのか、まったく見当もつかなかった」と、底知れぬ喪失感を吐露しています。