保護者(父親)が自ら都道府県警察本部の捜査本部に持ち込んだドライブレコーダー(車載カメラ)のSDカード。そこには、失踪直前と思われる時間帯の道路状況が生々しく残されていた。
再生されたタイムスタンプは午後4時12分。児童が目撃された最後の地点からわずか数百メートル離れた交差点で、父親の車が一時停止した瞬間だ。画面の右奥、電柱の陰から伸びる小さな人影と、その傍らに停車する不審な軽ワンボックスカー。音声データには、遠くで響くかすかな呼気やドアが乱暴に閉まる音まで拾われていた。これまで単なる迷子や偶発的なトラブルと見られていた行方不明小学生の足取りは、このわずか数秒間の未公開独自記録によって「人為的な接触」の可能性へと一気に舵を切ることとなった。