過激な描写を持つ作品の歴史は、そのままテレビ放送におけるグロいアニメ 規制との闘争の歴史でもあります。2000年代半ばから2010年代にかけて、深夜アニメにおける残虐描写はBPO(放送倫理・番組向上機構)への視聴者意見や自主規制の強化により、大きな転換点を迎えました。
代表的な事例が『Blood-C』のテレビ放送です。地上波放映時、過激な捕食・損壊シーンの大部分が「画面の大半を覆う巨大な影(黒塗り)」や「発光エフェクト」によって覆い隠され、ネット上では「画面が真っ暗で何が起きているか分からない」「放送事故レベルの規制」と大きな話題を呼びました。しかし、後にリリースされたパッケージ版や動画配信サービスにおける無修正完全版では、制作陣が意図した狂気的な作画の全貌が白日の下に晒され、グロいアニメ ネットの反応は困惑から驚嘆へと一変しました。
また、作品の裏設定に目を向けると、残酷描写が単なる思い付きではなく、綿密な世界観の構築から必然的に導き出されていることが分かります。『ひぐらしのなく頃に』における惨劇は、孤立した村落特有の風土病と軍事研究の暗躍というSF・サスペンス的裏設定に裏打ちされており、『メイドインアビス』における成れ果ての姿や肉体損壊は、深淵のルールに挑んだ探窟家たちの「祈りと欲望の物理的具現化」として描かれています。制作者が一切の妥協を排してリアリティを追求した結果として、あの凄惨な映像が生まれているのです。