星野源が演じる主人公・吉村貴生は、視聴者の共感を誘うどころか、前半戦においては観る者を徹底的にイライラさせる。「うだつの上がらない営業マン」という設定の彼は、軽い気持ちから覚醒剤の罠に落ち、あっけなく逮捕されて執行猶予付きの身となってしまう。
自身の甘さが招いた事態であるにもかかわらず、悲劇のヒロインのように他責思考を繰り返し、目先の欲望や保身に流される姿は、お世辞にも格好良いとは言えない。視聴者の間からは「主人公の自業自得な言動を見ていられない」「愚かすぎて胸が痛くなる」といった厳しい口コミが相次いだ。
だが、この「不快なほどの情けなさ」こそが、制作陣の計算し尽くされた仕掛けだ。凡人が一瞬の過ちで人生のどん底に落ちたとき、どれほどみっともなく足掻くのか。その生々しい人間臭さを星野源が見事に体現しているからこそ、視聴者は感情を強く揺さぶられるのだ。