ハマカーンがテレビから消えた理由を考察する際、単なる人気凋落ではなく、芸能界におけるいくつかの構造的な変化が浮かび上がります。
第一に、代名詞であったネタの消費サイクルと時代の空気感の変化です。浜谷が顔を真っ赤にして叫ぶ「ハマカーン 下衆の極み」というパンチラインは、毒舌やルッキズム、セレブ批判を笑いに昇華させる強烈な武器でした。しかし、コンプライアンス意識が急速に高まり、誹謗中傷や攻撃的な言葉遣いに過敏になった地上波テレビにおいて、苛烈な罵倒フレーズは次第に使いどころが限定されるようになりました。また、2016年に世間を揺るがした人気バンド関連の不祥事騒動以降、フレーズ自体の無用なハレーションを避ける業界内の空気も少なからず影響したと現場関係者は指摘しています。
第二に、お笑い界全体の供給過多とテレビ番組のひな壇構造の変化です。2010年代半ば以降、M-1グランプリの復活やキングオブコントの隆盛により、賞レース発の若手チャンピオンが毎年のように大量供給されるサイクルが固定化しました。テレビ局側は常に「鮮度の高い新顔」をゴールデン帯のひな壇に配分するようになり、30代半ばから40代へと差し掛かったハマカーンのような中堅実力派は、バラエティの使い捨て的な消費から距離を置かざるを得ない構造へと追いやられた側面があります。
しかし、これは彼らにとって挫折ではなく、後述する個人活動への適応と、漫才師としての本質的な自立を促す契機となりました。