その勢いは留まることを知らず、1987年のベルナルド・ベルトルッチ監督作『ラストエンペラー』で決定的な頂点を極める。出演兼音楽担当としてプロジェクトに参画した坂本は、過酷な映画撮影の直後、わずか数週間という極限のタイムリミットの中で壮大なオーケストレーションを書き上げた。
清朝最後の皇帝溥儀の波乱に満ちた生涯を彩るドラマチックなスコアは、米アカデミー賞作曲賞をはじめ、ゴールデングローブ賞やグラミー賞を総なめにする快挙を達成。日本人として初のアカデミー作曲賞受賞という偉業は、彼を名実ともに「世界のサカモト」へと押し上げた。