ロシア現地における津波被害は、地理的条件によって大きく明暗が分かれます。人口密度の高いカムチャツカ地方の中心都市ペトロパブロフスク・カムチャツキーでは、港湾施設への浸水や係留していた小型漁船の転覆・流失といった水際被害が中心となります。
一方、海溝に最も近い千島列島の島々(パラムシル島セベロクリリスクなど)では、海岸線に面した集落が直接的な脅威にさらされます。ロシア非常事態省(EMERCOM)は、強い揺れを検知した直後に千島列島沿岸へ津波警報を発令し、住民を速やかに高台へと避難させる体制をとっていますが、インフラの脆弱な寒冷地ゆえに避難路の寸断や停電が深刻な二次被害を招く傾向があります。
また、オホーツク海を挟んだサハリン(樺太)東岸への津波到達予想に関しては、千島列島の島々が自然の防波堤として機能するため、太平洋側に比べて波高は抑えられる傾向にあります。しかし、湾内や浅瀬では局所的な潮位の引き波・押し波が急激に強まり、水産加工施設や港湾設備への浸水被害が確認されるケースが後を絶ちません。