ワイングラスの持ち方は脚が非常識?「日本だけ」の真相と国際マナー

ワイングラスの持ち方は脚が非常識?「日本だけ」の真相と国際マナー

ワイングラスの持ち方は脚が非常識?「日本だけ」の真相と国際マナーについての真相をお届けします。

都内のグランメゾンでシェフソムリエを務めるプロフェッショナルたちに取材を行うと、口を揃えて強調するのが「道具の重心を理解すること」と「指先の力の抜き方」です。ソムリエが教えるワイングラスの持ち方の基本は、力任せに握り込むのではなく、ペンの持ち手のように繊細に支える点にあります。

特に女性が美しく見えるワイングラスの持ち方として推奨されるのは、親指、人差し指、中指の「3本指」でステムの中央からやや下を優しく挟み、薬指と小指は手のひら側に自然に軽く曲げて添えるテクニックです。指先をピンと突っ張らせず、柔らかな弧を描くように構えることで、手首から腕のラインが細く優美に映えます。

飲む際の美しい所作として、グラスを大きく傾けて喉に流し込むのではなく、首を傾けずにグラスの方をゆっくりと唇に寄せるのがコツです。唇をグラスの縁(リム)に軽く触れさせ、すするように一口含みます。女性の場合、グラスのあちこちに口紅が付着するのを防ぐため、一口飲んだら常に「同じ位置」から口をつけるのが洗練されたレディの嗜みとされています。万が一リップが付着した際は、ナプキンではなく自分の親指の腹でそっと拭き取り、その指を膝元のナプキンで拭うのが最もスマートな現場作法です。

【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準

ワイングラスの持ち方は、個人の主義主張を押し通す場ではありません。その場の社会的コンテクストを読み解き、適切なスタイルを選び取る「文脈適応力」が試されています。

【ステム(脚)持ちを徹底すべき人・シーン】
・星付きレストランや高級ホテルでの会食、格式高い結婚披露宴に出席する人
・白ワインやシャンパンなど、冷えた状態の維持が味に直結するワインを飲むシーン
・ワインのテイスティング能力や洗練された身のこなしを取引先やパートナーに示したいビジネスパーソン

【ボウル持ちやカジュアルなホールドに切り替えるべき人・シーン】
・混雑した立食パーティーで、周囲との接触リスクが高く安全確保を最優先したい場合
・カジュアルなワインバーやバルで、厚手のタンブラーや脚の短いグラスで気軽に楽しむ場
・ワインが冷えすぎて香りが立たず、温度を上げてアロマを開かせたい意図がある時

他人がボウルを持っているのを見て「あの人はマナーを知らない」と心の中で断罪したり、逆に脚を持っている人を「日本人的で堅苦しい」と嘲笑したりする行為は、精神的な未熟さの表れに他なりません。形式に囚われて目の前の会話や料理の楽しさを犠牲にするのではなく、ワインと空間に対する敬意を自然に体現することこそが、大人の教養です。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。