海を越えた熱狂は、デジタルストリーミングやゲームカルチャーの爆発的な普及によって加速した。HBO MaxとWOWOWの共同制作ドラマ『Tokyo Vice』が描いたリアルな裏社会の陰影、あるいは世界的人気を誇るゲーム『龍が如く』シリーズに登場する漢たちの背中。それらは、日本固有の「和彫り」が持つ圧倒的な様式美をグローバルな視覚体験へと押し上げた。
Netflixなどの配信プラットフォームが日本の伝統美学をフィーチャーしたドキュメンタリーを次々と送り出すなか、海外のクリエイターやセレブリティは、鳳凰が描くダイナミックな曲線と繊細な羽のグラデーションに息を呑んだ。ヤクザカルチャーの文脈を脱色し、純粋なファインアート、あるいは精神的タフネスの象徴として和彫りを再定義する潮流が、いま世界規模でうねりを上げている。