いくら素晴らしい言葉を知っていても、実戦の緊張感の中でそれを活かせなければ意味がない。全国大会の常連であり「百戦錬磨」と評される名手たちは、いかにして重圧を跳ね返しているのだろうか。
実力者の多くは、プレッシャーに押し潰されそうになった瞬間、心の中で自らの座右の銘を反芻するルーティンを持っている。呼吸を整え、眼前の相手だけに集中する。勝ちたいという欲や、負けたらどうしようという恐れを削ぎ落とす作業だ。極限状態の試合会場で一瞬の打突を成功させるのは、日頃から四字熟語の意味を深く咀嚼し、自らの身体感覚にまで落とし込んでいる選手に他ならない。