多くのユーザーを悩ませている「LINEの通知音と通話着信音を別々のボリュームにできない」という問題の根本原因は、LINEアプリの不親切さではなく、AppleおよびGoogleが定めるモバイルOSのオーディオルーティング仕様にあります。
スマートフォンのオペレーティングシステム内部では、音声を以下の主要なカテゴリー(オーディオストリーム)に厳密に分類して処理しています。
- 着信音・通知音ストリーム(Ringtone / Notification):電話の呼出音やメッセージ着信を知らせるためのシステム警告音
- 通話音声ストリーム(Voice Call):受話口(レシーバー)やスピーカーから流れるリアルタイムの通話音声
- メディア音ストリーム(Media):動画、音楽、ゲーム、ボイスメッセージなどの再生音
- アラームストリーム(Alarm):時計アプリなどの目覚まし音
ここで決定打となるのが、iPhone着信音と通知音の音量連動というiOS長年の基本仕様です。AppleのiOSでは、「電話の着信音」と「メッセージの通知音」が同一のスライダー(「着信音と通知音」)に統合されており、サードパーティ製アプリであるLINEがこの2つを別個の音量レベルで鳴らすことはOSのセキュリティおよび規約上、一切許可されていません。
一方、AndroidではOSレベルで「着信音の音量」と「通知の音量」が独立したスライダーとして用意されている端末が多いものの、LINE側の実装がOSの着信音チャンネルと連動しているため、アプリ独自の音量スライダーを設ける設計にはなっていません。つまり、「LINEアプリ内に独立した音量調整画面が存在しない」のは不具合ではなく、OSのシステムボリュームに処理を委ねるプラットフォーム標準の設計思想によるものです。