日本一周の全行程において、実際に日々の財布から出ていくキャッシュの内訳はどのようになっているのでしょうか。各費目の現実的な数値を解剖します。
まず移動費の主軸となる燃料費です。本土の海岸線を忠実にトレースし、主要な半島を巡ると総走行距離は容易に1万2000kmを超えます。リッター15kmで走行する軽バンでガソリン単価が1リットル175円の場合、燃料代だけで約14万円を要します。これに加え、本州から北海道へ渡る津軽海峡フェリーや、九州・四国間の航路など、海上交通費として往復で約6万〜10万円が上乗せされます。高速道路は原則として下道(国道・県道)を基本線とし、どうしても危険な峠道や都市部の渋滞回避に限定して利用するのが旅人の知恵ですが、それでも数万円のETC請求は避けられません。
次に宿泊費と食費の相場です。ビジネスホテルに連泊すれば1泊7000〜9000円、1ヶ月で20万円を超えてしまい、あっという間に破綻します。そのため、多くの旅人は道の駅やRVパークでの車中泊、無料キャンプ場やライダーハウスを活用します。入浴費についても、日帰り温泉や銭湯(1回500〜800円)を毎日利用すると月間約2万円に達するため、週に数日は無料の足湯やドライシャンプーを組み合わせるなどの工夫が欠かせません。
食費は「旅の満足度」と直結する難所です。毎食コンビニ弁当や定食屋を利用すれば1日3000円(月9万円)ですが、夕暮れ時のスーパーの見切り品争奪戦や自炊を取り入れることで、1日1200〜1500円(月4万円台)まで抑制可能です。「ご当地グルメは各県で1品だけ厳選し、普段の主食はパスタと納豆で凌ぐ」といったメリハリの効いたルール設定が生死を分けます。