現在、ネット通販や一部の並行輸入サイトでは「処方箋なし購入可能」を謳い文句にしたコンタクトレンズ販売が横行しています。しかし、遠近両用コンタクトレンズにおける自己判断での購入は、単焦点レンズ以上に深刻な視覚トラブルと体調不良を引き起こすトリガーとなります。
最大の落とし穴は、「眼鏡の度数や市販の老眼鏡の度数と、遠近両用コンタクトの適正度数は全く異なる」という点です。コンタクトレンズは角膜に直接密着するため、目から一定の距離が離れている眼鏡レンズとは頂点間距離が異なります。さらに、近視度数(SPH)と加入度数(ADD)の相互バランスが崩れると、脳が遠近の像を適切に処理できず、眼精疲労、激しい偏頭痛、さらには自律神経の乱れによる吐き気へと発展することがあります。
また、瞳孔径の大きさや角膜のカーブ(ベースカーブ:BC)、涙液の分泌量は個人差が極めて顕著です。ドライアイが進行している状態で低含水レンズを無理に装着すると、レンズ表面が乾いて光が乱反射し、見えにくさが倍増します。厚生労働省が定める高度管理医療機器であるコンタクトレンズを安全に運用するためには、眼科専門医による細隙灯顕微鏡検査とフィッティングテストを経た正確な処方データの取得が絶対条件です。