金が「安全資産」としての性質を強く持つのに対し、プラチナ相場が急激に動く背景には独自の構造が存在します。プラチナ相場の変動理由を紐解くと、主に3つの要因が浮かび上がります。
最大の要因は産業用需要の大きさです。プラチナは年間総需要の6割以上が自動車の排ガス浄化触媒や化学産業などの工業用途に使われています。特に近年は、ハイブリッド車(HEV)の世界的な需要再評価に加え、水素社会に向けた燃料電池(FCV)や水電解装置の電極触媒としての実需が相場を下支えしています。
2つ目は極端な供給集中リスクです。世界のプラチナ生産量の約7割を南アフリカ、約1割強をロシアが占めています。南アフリカの電力不足による鉱山操業停止や地政学リスクによる供給網の混乱が報じられると、市場では一気に供給不足が懸念され、価格が跳ね上がる傾向にあります。
3つ目は為替(ドル円相場)の影響です。国際取引は米ドル建て(1トロイオンスあたり)で行われるため、ニューヨーク市場の価格が変わらなくても、国内の円安が進めば日本円換算の相場は上昇します。