2001年の『HERO』大ヒット以降、2007年の劇場版を挟みつつも、地上波連続ドラマでの本格的な共演が途絶えた時期がありました。この空白期間を巡り、一部の週刊誌やネット上では「事務所間の確執」や「木村拓哉 松たか子 共演NGの真相」といった憶測が飛び交う事態となりました。
しかし、この噂の背景にあった現実は、ネガティブな衝突とは正反対のものでした。
歌舞伎の名門・松本幸四郎家の令嬢として生まれた松たか子は、テレビドラマでの大成功に甘んじることなく、舞台演劇の世界へと本格的に軸足を移しました。故・蜷川幸雄氏や野田秀樹氏らの舞台で主演を務め、読売演劇大賞をはじめとする数々の演劇賞を総なめにするなど、日本を代表する本格派舞台女優としてのキャリアを築いていったのです。
一方の木村拓哉もまた、検事、パイロット、アイスホッケー選手、総理大臣など、作品ごとに異なる世界観を背負う看板俳優として走り続けていました。制作サイドからすれば「木村拓哉×松たか子」のカードは容易に切れるものではなく、安易な再共演を避け、お互いがそれぞれのフィールドで頂点を極めるための必然的な距離感だったことが分かっています。