厚塗りは「1枚のレイヤーに油絵のように重ね塗りしていく手法」と認識されがちですが、デジタル環境においてはアイビス厚塗りレイヤー分けの構造を正しく理解することが、手戻りを防ぎクオリティを担保する生命線となります。
初心者向け厚塗り講座として推奨される標準的なレイヤー階層と進行手順は以下の通りです。
【ステップ1:ラフ・大ラフ作成(レイヤー1)】
大まかなポーズと構図、シルエットを決めます。細部にこだわりすぎず、全体のプロポーションと明暗の塊(マッス)を捉えることが目的です。
【ステップ2:ベースの下塗り(レイヤー2〜5:パーツ別)】
「肌」「髪」「服」「瞳」「背景」といった大枠のパーツごとにレイヤーを分け、ベタ塗りでベース色を流し込みます。パーツごとに分けておくことで、はみ出しを気にせず「クリッピング」機能を使った影付けが可能になります。
【ステップ3:大まかな陰影配置(クリッピングレイヤー)】
各ベースレイヤーの上に新規レイヤーを作成して「クリッピング」を設定。アクリルブラシを用い、光源を意識しながら1影(淡い影)と2影(濃い影)を大まかに乗せていきます。
【ステップ4:線画とベースの結合・統合(レイヤー統合)】
全体の明暗バランスが整った段階で、線画と塗りレイヤーを1つ(またはパーツ単位のフォルダごと)に結合します。ここからが本格的な厚塗りの本番となり、線画の黒い線をベースの色で馴染ませながら塗り潰し、エッジを再定義していきます。
【ステップ5:ディテール描き込みとオーバーレイ調整(最上位レイヤー)】
瞳の反射、髪の毛の細いハイライト、肌のキワの照り返し(反射光)を描き込みます。仕上げに「オーバーレイ」や「加算・発光」レイヤーを最上部に重ね、光のドラマチックな効果を強調して完成させます。