インターネット上の掲示板やSNSでは、東村アキコに関して時に極端な噂が飛び交うことがあります。その筆頭が「これだけの連載本数を同時に抱えているのは、ゴーストライターがネームを描いているのではないか」という疑惑です。
しかし、現場のアシスタントたちの証言や、テレビ密着ドキュメンタリー番組(『情熱大陸』や『浦沢直樹の漫勉』等)で公開された実際の仕事場風景を見れば、その噂が事実無根であることは明白です。東村の真骨頂は「迷いのないネーム作成の圧倒的なスピード」にあります。頭の中にすでに完成している構図とセリフを、下書きなしに近い感覚でペンに乗せていく超人的な速筆ぶりは、同業のトップ漫画家たちからも驚嘆されています。
また、ネット上では『東京タラレバ娘』などの痛烈なセリフ回しに対して「アラサー女性を煽りすぎている」「自己責任論に偏っている」といった批判的な言説が散見されることも事実です。しかし、実際のコミュニティや読者レビューを深く分析すると、読者層が感じているのは単なる冷笑ではなく、「現実を直視させてくれるからこそ、前に進む勇気をもらえる」という厳しくも温かい叱咤激励です。嘘のない筆致こそが、熱狂的な支持基盤を支えていると言えます。