お茶の間の定番として親しまれる「さくら家」。その中心にいるのは、好奇心旺盛でちょっと怠け者の小学3年生、まる子(さくらももこ)だ。しっかり者の姉・さき子、呑気でマイペースな父のさくらひろし、家事を切り盛りするしっかり者の母・すみれ。そして、まる子を溺愛する祖父のさくら友蔵と、控えめながら温かく家族を見守る祖母のこたけ。この6人が基本構成であることは、ファンならずとも誰もが知るところだろう。
しかし、さくらプロダクションが大切に育んできた設定の奥行きは、日常のほのぼのとしたやり取りだけに留まらない。例えば、原作とアニメで微妙に異なる人物描写や、家族それぞれの若かりし頃の出会いなど、日常系アニメの枠組みを超えたきめ細やかなバックストーリーが存在する。普段の放送では当たり前のように過ぎ去る日常の中に、作者の記憶や巧みな人間観察が色濃く反映されているのだ。