高橋靖子は1941年生まれ、東京都出身。彼女のキャリアの原点は、まだ日本にスタイリストという職種そのものが存在しなかった1960年代半ばにさかのぼります。
早稲田大学を卒業後、広告制作会社に入社してコピーライターやコーディネーターとして勤務。その後、海外のファッション誌で目にした「スタイリスト」という肩書に直感を覚え、日本でいち早くフリーランスのスタイリストとしての活動を宣言しました。当時の日本には撮影用の服を貸し出すプレスルームなど存在せず、自ら百貨店やショップに足を運んで衣装を調達・交渉するという、前例のない道を自らの手で切り拓いたのです。
カルチャーの発信拠点であった原宿セントラルアパートに事務所を構え、写真家やデザイナー、ミュージシャンたちが夜な夜な集うクリエイティブな熱気の中心で、彼女は唯一無二の存在感を確立していきました。