家庭と病院の往復の中で孤立しがちな母親たちにとって、医療機関の外にあるサードプレイスの存在は命綱に等しい。英国発祥の理念に基づき設立されたマギーズ東京は、がんに影響を受けるすべての人々が、予約なしで無料で訪れ、看護師や心理士と静かに対話できる場所として定着している。
さらに、日本対がん協会などの支援団体による子育て世代のがん患者への専門相談や助成制度、家事支援ヘルパーの派遣など、地域社会と連携した重層的なセーフティネットの整備が進められている。医療者だけでなく、社会全体で「親のがん」に向き合う子どもと家族を包み込む仕組みが、少しずつ形作られつつある。